鍼灸に興味があって学校に通って資格を取ろうと考えているけど食べていけるか不安。
資格を取って接骨院に勤務しているが鍼灸では食べていけない話ばかり聞いて将来不安。
子供が鍼灸の専門学校に行くと言っているがつぶしのきかない資格で独り立ちできるか不安。
そんな不安にお答えします。
鍼灸師として16年仕事をした結論
大丈夫、食べていく手段は用意されています
ただし、鍼灸にこだわらなければ
鍼灸師の資格を取得してからの道
①開業
②鍼灸院、接骨院、整形外科に勤務
③デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホームに勤務
があります
ひとつひとつ説明していくと
①開業
一か月で100万円以上稼ぐこともあるけど0円の可能性もあります。
技術、マーケティング、運の歯車がうまく噛み合わないとすぐにつぶれます。
大きく開業しなければ自分の治療院一本に絞らなくても、自院の患者が増えるまでアルバイトをして食いつなぐという方法もあります。
②鍼灸院、接骨院、整形外科に勤務
15万から25万くらいの給料です。歩合だったり、賞与があったり、社会保険に加入できたりの差はありますが給料はどんぐりのせいくらべでほぼ昇給はありません。
資格取得後、多くの鍼灸師がすすむ道です。
鍼灸の技術を磨きたいと入職しても、多くの職場で鍼灸を行う機会はほとんどありません。
もみほぐし、リラクゼーションと称したマッサージや赤外線、低周波などのスイッチを入れが主な業務です。
同じ職場の柔道整復師、理学療法士、作業療法士と同じ業務をやっても給料や待遇に差があるので、資格選びを失敗したと思う人が多いです。
③デイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホームに勤務
給料は25万円くらい、いわゆる介護系です。
機能訓練指導員としての勤務になり、鍼灸師が立ち上げたデイサービスでもなければ鍼を打つ機会はありません。
ただ、その機能訓練指導員になるには鍼灸師以外の機能訓練指導員が在籍する施設で半年以上の実務経験が必要になります。
もっとも安定して食べていく道
③のデイサービス、ショートステイ、特別養護老人ホームで働くことです。
それもできるだけ母体の大きい病院などの法人が運営している施設を選びます。
病院、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、ショートステイなど複合的な医療、介護、福祉施設を運営する医療法人は少なくないです。
福利厚生が零細の治療院と比べてしっかりしていますし、毎年昇給を行うところが多いです。
半年間の見習い期間はありますが、その後は看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、マッサージ師の機能訓練指導員とおなじ算定が行えるようになります。
そしてそこで5年働きケアマネージャーの資格取得を目指していきます。
ケアマネを取得すれば必ず給与に反映されますし、その施設での存在価値も大きくなります。
鍼灸師なのに鍼もうたずに機能訓練なんて
そんな意見があるのも分かります。
しかし鍼灸は需要のわりに鍼灸師が非常に多いのが現実ですし、鍼灸師が思う以上に鍼灸のイメージはあやしい、怖いなど良くないです。
鍼灸師の資格を取得して10年後も鍼灸業務を行えているのは10人に1人以下とも言われています。
その鍼灸業務を行えている1割の多くがたいした昇給もなく月20万程度で働いています。
患者を笑顔にしたいから、人に喜ばれる仕事がしたいから、資格を取れば食いっぱぐれないだろう、などなど特に鍼灸にこだわりのない理由で資格を取ったのであればなおさら機能訓練指導員として働くことをすすめます。
ケアマネを取得するくらいまで働けば医療介護現場の現状が見えますし、看護師、介護士、ケアマネ、ソーシャルワーカー、リハビリ職など多くの人と面識を持つことができます。
そのうえ鍼灸にこだわって働くよりも給料は良いし、勤務時間、休みもしっかりとしています。
鍼灸師の資格で食べていけます
ただし、鍼灸にこだわらなければ。
鍼一本で私は食べていく!という決意で資格の取得を考えている方、取得後に下積みをしている方もどこか頭の片隅にでも機能訓練指導員っていう道もあるんだなと入れておくと将来の不安が和らぐはずです。